ウィニングパットでは「全身が震えた」。
比嘉一貴選手が3打差を逆転し、12アンダーで初の国内メジャー制覇を果たす
ウィニングパットでは「全身が震えた」。
比嘉一貴選手が3打差を逆転し、12アンダーで初の国内メジャー制覇を果たす
入れば優勝が決まるパットを仕切り直した瞬間、ギャラリーからは大きなどよめきが起こりました。「全身が震えていて、球に当たらないと思って仕切り直しました」と話した比嘉一貴選手。仕切り直しても震えていたというが、「良いパットができました。入れることしか考えていませんでした」と見事にカップイン。BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップでの優勝を果たしました。
苦手だった宍戸ヒルズを克服。
どの優勝ときよりも大事なウィニングパットだった
過去2回本大会に出場しているという比嘉選手。「かすりもせず予選落ちでした」と、苦手意識が強かったそうです。「ラフが短くなったことでチャンスがあるかも」と予選通過を目標にのぞんだ今年、「毎年OBを打っていた14番ホールのティショットは、7番ウッドを使用」するなどの対策で3日目を終えて首位と3打差の3位につけました。
最終日、序盤にラッキーが2度ありました。2番ホール(Par5)の3打目のアプローチで、「強く打ってしまったが、カップインしてくれた。入ってなかったらグリーンをこぼれていたかも」とイーグル。さらに続く3番ホール(Par3)ではティショットが地面に着弾すると水しぶきが上がりました。池に入ったかと思いましたがボールは跳ねてグリーンの脇に。このホールもパーで切り抜けました。「この2ホールのラッキーがなかったら、早々に優勝争いから脱落していたと思います」と振り返りました。
ラッキーだけではもちろん勝てません。勝負の18番ホールでは、勝利をしっかりと自分で引き寄せました。ティショットでフェアウェイをキープすると、セカンドショットでは「少し左を狙ったが思ったよりも左からの風に流されました」とピンの右サイドにナイスオン。今季ツアー2勝目、ツアー通算4勝目となる比嘉選手ですが優勝パットについて、「どの優勝よりも大事な最後のパットだった。あの状況で決められたのは今後の自信になります。全身が震えたが、入って最高に気持ち良かったし、こういう経験ができて嬉しいです」と振り返りました。
158センチと小柄僕が活躍することで勇気を与えたい。
海外にも積極的に挑戦したい
今回の比嘉選手の優勝には一つの記録がります。それは1973年ツアー制施行以降、日本タイトルで優勝した選手として身長が最も小さい(158センチ)こと。「小柄な僕が活躍することで勇気を与えられたら嬉しいですし、勇気を与えられる選手になりたいです」と抱負を語っていました。
今回の優勝で欧州ツアー「BMWインターナショナルオープン」と米国PGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」、さらには今季国内初戦から今大会の獲得賞金で争った日本予選ランキングで「全英オープン」の出場権も獲得しました。「この優勝で海外にも行けます。積極的に挑戦していきたいと思います」と今後の抱負を語りました。
1打差の11アンダー・2位には最終日に6つスコアを伸ばした大槻智春選手、10アンダー・3位には岩﨑亜久竜選手が入りました。