2025 BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ優勝
蟬川泰果選手にインタビュー 「夢は4大メジャー制覇! 同じ名前の“タイガー”のようになりたい」
2025年「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」で優勝を果たした蟬川泰果選手
2025 BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ優勝
蟬川泰果選手にインタビュー「夢は4大メジャー制覇!同じ名前の“タイガー”のようになりたい」
ギャラリーを熱狂させた今年の「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」。
その興奮の裏側で、優勝をつかんだ蟬川泰果選手は何を思い、これから何を目指していくのか。
ご本人に話を聞きました。
▼蟬川泰果(せみかわたいが)プロフィール
2022年に国内男子下部ツアーでアマチュア優勝、同年9月のレギュラーツアー「パナソニックオープン」でもツアー史上6人目のアマチュア優勝を達成。同年10月「日本オープン」を制し、95年ぶりとなるアマ優勝を達成。なお、アマチュアとしてのツアー2勝は史上初の快挙。プロ転向後は2023年の「関西オープン」と「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を制している。
小学生の頃から難しいと思っていた
宍戸ヒルズで勝てて嬉しい
▼優勝を果たした感想
2月に肋骨の骨折をしてリハビリをしながらの出場だったので、優勝ができるとは想像していませんでした。しかも小学生の頃から宍戸ヒルズでの試合に参加したことがあって、ここで勝つことはすごく難しいと思っていたので、ここでの優勝はすごく嬉しかったです。
▼宍戸ヒルズの難しさとは?
フェアウェイがすごくタイトなのと、グリーンの傾斜が半端ない難しさです。13番のショートで、2日目右手前にピンが切られた時は、ジャストタッチで打ったパットが6メートルくらい転がってオーバーしてしまいました。乗せてバーディチャンスにつけてもボギーになってしまうようなセッティングで、どのショットも気を抜けないところがすごく難しいと思います。
▼優勝できたのはショットが良かった?
ショットが良かったのとパッティングもすごく良かったです。最終日の前半のパット数は10パットなので、本当にパットに恵まれたというか、最後もパットで決めきることができました。パッティングが良くないとスコアをまとめることができないゴルフ場かなと思います。
最終18番ホールでバーディを奪ったシーン
残り3ホールで2打差。バーディを
2つ取れば“あるな”と思った
▼15 番で堀川選手と2打差がつき、そこからチャージをかけた?
16番のショートでは(堀川)未来夢さんが先にティーショットを打ちました。後ろから見ていてもピンに対して(安全な)右を向いているのがわかり、ディフェンスに入った部分を感じました。2打差ある中で残り3ホールでバーディを2つ取れば、もしかしたら“あるな”というのをこのホールですごく感じたので、左サイドの難しいピンポジションを警戒せずにしっかり振り切ろうと思って打ち、上手くピンについてくれました(1メートルにつけてバーディ)。17番(Par4)で4メートルのパーパットをしっかり決めることができたのもキーになったと思います。18番(Par4)の2打目はもっとバーディチャンスにつけたかったです。ただ、手前からのバーディパットは本当に気持ちだけで打ちました。とにかくバーディを取ることだけしか考えてなかったですね。
▼プレーオフの18番ホールでティーショットを左のバンカーに入れたのは想定通りとコメントしていましたがその真意は?
18番ホールでは初日、2日目と右サイドの2打目からボギーにしていました。右サイドからのショットは本当に難しいと頭に入っていました。最終日は右ピンで足も出せる(グリーン上で転がせる)シチュエーションで、左サイドのバンカーに入れてもチャンスがあると考えていたので、バンカーに入ったのは狙いどおりとも言えますね。
プレーオフの18番ホール、バンカーからの2打目
▼今年はセッティングが変わりましたが、特に違いを感じた部分は?
一番はやっぱり17番のグリーン手前ですね。練習ラウンドで同伴競技者がグリーン右手前に打って戻って池に入るのを見て、あの17番がさらに難しくなったと感じました。全体的にピンの位置も去年よりシビアになっていて、上からだと止まらない印象が強かったです。
想像を超えるショットが男子プロの魅力!
将来は多くのギャラリーを呼べるゴルファーになりたい
▼男子プロの面白さとは?
男子プロはロングドライブや、想像し難いショットができるのが魅力だと思います。例えば林から40ヤードぐらいスライスかけて乗せてくるショットは、パワーがある男子プロだから打てるショットなので、想像ができないようなことをやってくるのが男子プロだと僕は思っていますし、そこが一番の魅力です。
▼今年は4日間で20,180人のギャラリーが入り、特に最終日の最終組には多くのギャラリーが集まったことについて
未来夢さんの影響が大きいと思います。米澤選手も昨年2勝をあげて、今年も常に上位にいて、この2人がいたからギャラリーの方もすごくいらっしゃったのだと思います。
未来夢さんがパットを入れた時の歓声はすごかったですね。その未来夢さんのファンに僕もアピールできたのは良かったです。自分もあれだけ多くのギャラリーの方を呼べるようなプレーヤーになっていきたいというのが率直な感想です。
堀川未来夢選手と握手をする蟬川泰果選手
▼BMW 日本ゴルフツアー選手権森ビルカップという大会自体の印象
僕は世界の様々なツアーに出場していますが、この大会は海外の試合みたいですね。18番のギャラリースタンドはすごいなって感じますし、僕は車がすごく好きなんですけど、車があれだけ並べられているのも本当にすごいなと思います。
節目の5勝を達成できたので、
10、15、20と勝利を重ねていきたい
▼この優勝で出場権を得た「BMWインターナショナルオープン」に参戦して学んだもの
グリーンに苦戦しました。ドイツの芝は結構独特で、芝を読めずに1週間が終わってしまいました。ショットはそんなに悪くなかったので、パッティングでリズムが崩れてしまった感じでした。
▼出場が決まった10月の米国PGAツアー「ベイカレントクラシック」での目標
1日目からいい形でスタートしたいというのが第一目標です。勝っている試合のほとんどは、1日目がすごくいいスタートを切っています。スロースターターなところが僕にはあるのですが、そこをなるべく出さないようにできれば、チャンスがあると思っています。
▼年内の予定
今年は日本ツアーに集中して、後半戦も頑張っていきたいです。また体が万全になってから海外挑戦をしたいと思っています。
▼国内ツアーで成長した後の目標は?
小学生の頃から言っている4大メジャー制覇は、すごく大きな夢として持っています。今の目標としては、今回の優勝で節目の国内5勝を迎えられたので、10勝、15勝、20勝とどんどん積み上げていきながら、海外で通用するようなゴルフの技術も全て揃えていきたいなと考えています。
▼将来はどんなゴルファーになりたい?
タイガー・ウッズ選手一択です。自分の名前でもあり、小さい頃から見ていたプレーヤーがタイガー・ウッズ選手だったので、そこはブレていません。
林から1メートルぐらいのベタビンにつけたり、普通の人が想像できないようなショットをしてくるのがウッズ選手の醍醐味ですが、こういったところを真似ていきたいなと思っています。