シニア世代の“教えるプロNo.1”決定戦! キャンセル待ち出場の橋野が逆転V。「PGAティーチングプロシニア選手権」レポート
今回で14回目を迎える「PGAティーチングプロシニア選手権」。今年は静ヒルズカントリークラブ(茨城県・常陸大宮市)で11月1日から2日間の日程で開催されました。36ホールのストロークプレーで、賞金総額450万円、優勝賞金60万円で争われるこの大会は、シニア世代の“教えるプロNo.1”を決める大会として、関係者からも注目度が高い大会です。
昨年よりハードなセッティングで大混戦!
「優勝して、すみません」と表彰式でスピーチした橋野寿造プロ。実は、今大会はウェイティングで現地待機していたところ、参加者のキャンセルが出て急遽出場することになったそうです。そして、優勝するというドラマチックな展開になりました。
初日を2オーバーの10位タイで終えた橋野は、「すごくグリーンが早くて、さすがトーナメントコースだなと思いました。でも、実はパターイップス気味なので高速グリーンは得意。イップスになってから長尺パターを使っている私には合っていると思います」と語っていました。
静ヒルズCCでの開催は昨年に続いて2回目でしたが、昨年大会にも出場している強豪選手は、グリーンコンディションの仕上がりに驚いたようです。12年大会で優勝している近藤年弘は、「初日はピンポジションが難しかったし、グリーンが速い。芝目がきっちり読めないとパターが入らないグリーンですね。よく整備されているコースだなと思いましたし、昨年よりコースの難易度が遥かに高かったです」
初日トップの高崎プロは、飛ばし屋としても有名。
初日トップに立ったのは唯一のアンダーパーを記録した高崎龍雄。しかし、本人は納得していない様子で、
「3パットもありましたし、完璧ではありませんでした。実は2週間くらい前にエースドライバーのヘッドが割れて、今日は別のヘッドにシャフトを挿してプレーしたのですが、全然飛ばなかった(笑)これから、ゴルフショップに行ってきます」
初日を終えて、2位タイには1打差のイーブンで守屋克彦、星清、鴨林猛徳の3人が並ぶ混戦状態となりました。
中盤の3ホールでバーディ、バーディ、イーグル!
2日目の最終組には全員に優勝のチャンスがありました。そして、前半9ホールを終えてトップに立ったのは、2アンダーの守屋克彦、続いて1アンダーで高崎龍雄が追う展開。しかし、最終組での優勝争いに割って入ったのが、橋野でした。なんと8番でバーディ、9番でバーディを奪うと、後半の10番ではイーグル。わずか3ホールで4つスコアを伸ばして、一気に2アンダーまでスコアを伸ばしました。このイーグルについて橋野は、
「優勝は意識していなくて、10番ホールで残り50ヤードくらいから寄せるつもりで58度で打ったのが、そのまま入った。自分でもビックリでした」
最終組の5組前で回っていた橋野は、1イーグル、3バーディ、1ボギーの「68」でトータル2アンダー。ホールアウトした時点ではクラブハウスリーダーとなりましたが、橋野はこのとき、「最終組がスコアを伸ばしてくるから、優勝はないと思います。一応はプレーオフに備えてパター練習しています」と語っていました。
最終組の守屋、高崎は後半9ホールでスコアを伸ばせない展開が続きましたが、高崎は17番で長いバーディパットを決めて1アンダーに。18番でバーディを取ればプレーオフでしたが、惜しくも外して、1アンダーでフィニッシュ。守屋は後半9ホールで3つスコアを落として5位タイに終わりました。
18番のグリーンサイドで最終組のプレーを見ていた橋野は「まさか、自分が優勝するとは思わなかったです」と驚きの表情。プレーオフに備えて練習する橋野は「このコースの練習環境は素晴らしいですね。普段は東京や千葉の練習場で教えているのですが、静ヒルズのアプローチ練習場の充実した環境に驚きました。今度は生徒さんを連れて、ここでレッスンに来たいですね」
橋野プロがおっしゃってくださいましたが、PGAプロの皆さんに充実した練習環境など静ヒルズカントリークラブの魅力を知っていただくことも、「PGAティーチングプロシニア選手権」にコース提供をさせていただいている目的の一つでもあります。実際、この「PGAティーチングプロシニア選手権」や「PGAティーチングプロ選手権」に参加したプロが、その後静ヒルズカントリークラブでレッスンや合宿を行った事例が数多く生まれています。そしてもちろんその先には、静ヒルズカントリークラブの練習環境で上達したゴルファーの笑顔がたくさん生まれています。
さらに今年、アプローチ・バンカー練習場のリニューアルを実施。以前より好評を博していましたが、さらに面積が広くなり今まで以上に様々なライからの練習を行える環境を整えました。静ヒルズカントリークラブを知っていたプロからも、「こんなに充実したアプローチ練習場は日本では少ないですね」との声を数多くいただいており、今後もますます様々なレッスンや合宿などが行われることになりそうです。
リニューアルしたアプローチ・バンカー練習場
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優勝によって、来年の「日本プロシニア選手権」への出場権を獲得した橋野。
今年、61歳になったがまだ夢を見れる舞台が待っています。
そんな夢につながる道があるのも、この大会の魅力でしょう。