ディフェンディングチャンピオン堀川未来夢にインタビュー
(堀川未来夢プロフィール)
ホリカワミクム/1992年12月16日生。ファルドシリーズアジアグランドファイナルで優勝を果たすなどアマチュアの頃から世界で活躍。2020-2021シーズンは、パーキープ率(パーかそれより良いスコアを獲得する率)で2位など安定したプレーを展開。
ディフェンディングチャンピオン堀川未来夢にインタビュー
男子ツアーは一度見ていただけたら、すごく面白いと思ってもらえるツアー
2019年の日本ゴルフツアー選手権でツアー初優勝を果たした堀川未来夢。
その後は日本ツアーを主戦場としながらも、全米オープンやスポットで米国PGAツアーに出場するなど積極的に海外ツアーにも参戦しています。
日本ゴルフツアー選手権の優勝で変わったことや今後の国内男子ツアーの在り方について聞いてみました。
5年シードをもらえたことで海外を視野にいれた取組を実施
▼優勝から2年経ちますが、メジャーチャンピオンになって変わったことはありますか?
反響が大きくて認知度がかなり上がったと感じます。また5年間のシードをもらえたことで、人生のプランじゃないですけど先を見据えた行動ができるようになりました。海外への挑戦をしやすい環境になったので、(コロナ禍が落ち着いたら)アジアンツアーに行ったり、アジアンツアーの上位に入ることによってヨーロピアンツアーも狙いたいですね。
▼海外に行くために、具体的に取り組んでいることはありますか?
海外に行くためにというか、自分の実力の底上げはやっています。トレーニングだとか飛距離アップだとか。特に英語の勉強とかはしてないですけど(笑)。ゴルフの面で必要なところはアプローチだったり、ドライバーの飛距離だったりってところにあるのかなと思っています。飛距離の方は2年目くらいに上げようとした時に1回失敗したので慎重に取り組んでいますが、飛距離は上がってきています。
▼コロナ禍の影響で特に感じているとこはありますか?
特に土日のラウンドでギャラリーさんがいないことに違和感がありますね。
ギャラリーさんのリアクションってけっこう大事なんです。例えば打ち上げだったり、砲台などでグリーンが見えない時に、ギャラリーさんのリアクションが「おぉーっ!」てなった時に、「あ、寄ったんだ」と感じます。または「今のは大きいのかな」とか。それが無観客の時はリアクションがないんで、ギャラリーさんを頼りにしているところがあったんだなと感じます。それはモチベーションの面でもあり、技術の面でもありますね。
男子ツアーの魅力を伝えるために考えている様々なこと
▼男子ツアーについて何か思っていることはありますか?
男子ツアーは一度見ていただけたら、すごく面白いなって思ってもらえるツアーだと思っています。ゴルフは他のスポーツに比べて一番選手とギャラリーの距離が近いスポーツです。ロープを挟んで選手と隣り合わせでほんとに近い距離で会話もできる距離でプレーを見るっていうのは他のスポーツにはない魅力だと思います。今、若手も増えてきてなかなか面白い雰囲気になってきていると思います。SNSだったりYouTubeとかで選手が映像を上げたりとか、個々が少しずつ自分をブランディングしています。
また、プロアマとかの対応もかなりよくなっていると思います。男子ツアーでプロアマをやってよかったと思ってもらえることがすごく多くなってきています。
▼松山英樹選手がマスターズで勝ったことについてはどのように感じていますか?
日本人が歴史に名前を残したっていうことは日本人としても嬉しいし、同じ日本人プロゴルファーとしても誇りに思います。男子ツアーが盛り上がるチャンスかもしれないですね。今一番の話題の人ですし、海外に見に行こうという人はそう出てこないけど、松山さんが日本ツアーに出たらみんな注目すると思います。
▼日本の男子ツアーの魅力を伝えていくには、どのようなことをすべきだと思いますか?
国内男子ツアーが海外のツアーのように広まっていかない理由が1つあると思っています。海外では無音カメラ(海外のスマホのカメラはシャッター音がならない)なので、試合中でもどんどん写真や動画とかがSNSに出たりするじゃないですか? ツイッターとかインスタグラムとか、試合中の選手の誰かが自分たちで撮った動画とかを上げているとけっこう広まるんですよね。日本でも自分たちでスーパープレーとかを撮ったりしたら、どんどん広まっていくと思いますね。シャッター音とか動画の音とかは選手は気になりますけど、全く音とかしないものが出てきて撮り放題になったら、どんどん国内男子ツアーの魅力も広まっていくと思います。