中嶋常幸プロが語る指導方針

打つ技術も大事だが、それを支える体、
その両方を統括する心が必要
▼どのような指導をされている?
僕らが教えているのは基礎だけ。サバイバル術というのか、その基礎をもとにしていろんなことを学習していけるようにして送り出しています。
▼基礎とは?
ゴルフはもちろん打つ技術も必要ですが、それを支える体、それからその両方を統括する心が必要です。基礎というのは、分かりやすく説明すると、ひらがなを書けない人は漢字を書けないということ。まずはしっかりとしたひらがなを書こうということです。すぐに漢字、しかも崩した達筆な字を書きたいと思ってしまいがちです。でも子どもたちがまずやるべきことは、ひらがなが書けるようになること。そこを基礎として考えています。
トレーニングの基礎は何かというと走ること。それから跳ねたり、スクワットをしたり、こういうのが基礎ですよね。それから怪我をしない体を作るためのストレッチ、もちろん食事のことも取り入れたりします。
打つ技術の基礎は、正しく構えることと正しく始動すること。この2つをバランスよく行うことが、打つことに関しての基礎です。
心は、(ゴルフを)突き詰めよう、追求していこうということ。もっともっと上手になりたいという気持ちを持ち続けるということが心の基礎だと思います。遊ぶこともあれば、練習するときは練習するということだと、心の中に隙ができてしまいます。自分はゴルファーとしてもっともっと成長していくんだっていうことを常に思い続けているということが、心を豊かにしていくというか充実させていきます。
講義中の中嶋常幸プロ
目からの情報も大事。手本となれるように自分も努力をしている
▼中嶋プロのアプローチを見て学んでいるという生徒も多いです
本当は大きなショットも見せたいんだけど、年齢的にもなかなか厳しいです。手本となれるのはショートゲームしかないので、できるだけいいものを見せたいなと考えていますし、その努力もしています。子どもたちへの言葉の伝達も大事なのですが、姿、打つ姿勢を見せること、目からの情報というのも大事にしてあげたい。自分が打って見せられるような今の状況を、保ちたいと思っています。
自ら手本を示して指導
強くなるというのが一番の目標だが、みんなに好かれるゴルファーに育って欲しい
▼トミーアカデミー生には将来どんなゴルファーになって欲しい?
もちろん強くなるというのが一番の目標ですが、ゴルファーとしての存在そのものがみんなに好かれるというか好感を持たれるそういうゴルファーになって欲しいですね。強く優しく、そしてたくましく、周りを癒してあげられるゴルファーになったら最高ですね。
インタビュー後記
ヒルズゴルフトミーアカデミーの運営を行っている森ビルゴルフリゾート株式会社の林祐樹さんによると、「中嶋プロは、アカデミーで行う内容を常にアップデートしている」といいます。また、「指導は合宿の時だけでなく、中嶋プロが直接生徒に電話したり、時には個別に呼んで指導したり、様々なタイミングでそれぞれの生徒の状況に応じて丁寧に生徒のケアをしています」とのこと。中嶋プロは自身の経験に加えて、最新の情報を貪欲に取り入れていくことと生徒一人ひとりへの丁寧な指導で、トップゴルファーを次々と生み出しています。